こんにちは。交通技術ライターの川辺謙一です。
ヨーロッパの鉄道時刻表を見ていると、「Hbf」という言葉によく見かけます。
この「Hbf」とはいったい何でしょうか?
今回の記事では、その意味と種類をご紹介します。
「Hbf」とは?
「Hbf」とは、ドイツ語で「中央駅」を意味する「Hauptbahnhof(ハウプトバーンホフ)」の略称です。「Hauptbahnhof」は、「頭」や「頂点」を意味する「Haupt(ハウプト)」と、「鉄道駅」を意味する「Bahnhof(バーンホフ)」を組み合わせた言葉です。ちなみに「Bahnhof」の「Bahn(バーン)」は、道路や鉄道を意味します。
ドイツ語圏では、都市の中心的役割をする旅客駅を「Hauptbahnhof(Hbf)」と呼びます。
英語で言うならば「Central Station(セントラルステーション)」といったところでしょうか(あまり言わないようですが)。日本で言えば、東京駅や大阪駅もこれに相当しますね。
いろんな「Hbf」
ドイツの鉄道には、さまざま「中央駅」が存在します。ここではその代表的な種類として、列車が通り抜けるタイプの「通過型」と、線路が行き止まりになった「頭端型」をご紹介します。
「通過型」の代表例には、ベルリン中央駅(Berlin Hbf)があります。ドイツの首都・ベルリンの中央に位置しており、2つの路線が十字に立体交差しています。東西ベルリンの統一後の2006年に開業した新しい駅です。下の写真の看板では、「Hbf」ではなく「Hauptbahnhof」と書いてありますね。
「頭端型」の代表例として紹介するのは、ライプツィヒ中央駅(Leipzig Hbf)です。ドイツ東部の都市・ライプツィヒの中央に位置しており、線路が行き止まりになっています。このため、高速列車(ICE)がこの駅に停車するときは、スイッチバックします。
ちなみにトップ画像の写真は、「通過型」のニュルンベルク中央駅(Nürnberg Hbf)で撮影したものです。ドイツ南東部にある都市・ニュルンベルクの中央に位置する駅です。ここは、ドイツ鉄道博物館(DB MUSEUM)の最寄駅でもあります。